メタモルフォーゼの夏にしよう

メタモルフォーゼだなぁ。

曖昧なシングル3に対して、もう要するに上の一言が言いたいだけなんですが。メタモルフォーゼ。変身、羽化(辞書を引いたら正確には羽化は英語でemergenceとかeclosionらしい、知らなかった単語だ…)。そんなイメージ。

夏に聞くべきシングル美味しい曖昧の「曖昧なシングル3」、2023年も聞いてますか!!!このオタクはブログ書きかけで1年以上寝かせてしまったので今更こんな記事を出します…やる気あるのかな…でも良い音楽はいつ聞いても良いので2022年8月3日に配信開始された「曖昧なシングル3」収録の4曲の感想を書きます。

 

・さまさま

1:40〜2:00ぐらいのワンカットのところはるちゃんが15秒で移動してちゃんとキメてると思うとめちゃめちゃくちゃ可愛いので見てくださいMV↓↓

2022年の美味しい曖昧の夏を象徴すると言えばこの曲。MVもクオリティが高くて可愛い!毎ライブ繰り返され10月末になっても終わらない夏にオタクは迫りくる地球温暖化を感じて震えた。

夏曲!タオル回す!!フェス!!!って感じの一曲なんだけど、家から出たくないことから始まるのがたまらなく好きです。ドロドロのファンデーションとか帰り道の日傘とか前髪とか、歌詞に共感しかなくて頷き続けてしまう。

2022年の夏の曖昧と言えばこの曲だったけど、美味しい曖昧で夏といえばなのはさんだな〜となるのもこの曲で、「真夏日 浮かれてんのは誰だ 名乗り出なよ」の歌割りが曲頭にくるのが大正解なんすよね。なのはさんのあのピカッとした感じってどうやったら出せるんだろう。ダンスのキレなのか、エネルギーの詰まった表情なのか、可愛くて明るい歌声なのか、ぴかぴかして吸引力がある瞳なのか。いつも可愛くてキラキラしてるんだけど、その上でさらに瞬間瞬間で人を惹きつける明るさと力強さが太陽みたいで眩しくなっちゃう。

余談ですが2022年夏衣装、なのはさんへの似合いっぷりにおいて一つの頂点だと思っていて、これはマジで個人的な印象なんですがなのはさんって夏が似合うところもそうなんだけど健康体!みたいなちょっと夏休みの子供のような少年と少女の狭間みたいな可愛さがあるのに同じぐらいお姉さんっぽさと色気もほとばしらせることができるじゃないですか。それを衣装で表現するとスキニーになるのか!!!!!みたいな、予想してなかったけど確かに滅茶苦茶似合うなという感動があった衣装でした。他メンバーも魅力を引き出しまくりでうずめさんのメッシュのイケメン具合とか(格好いい衣装だからこそ際立つ女性っぽさとセクシーさ、あると思います)はるちゃんのK-popショートパンツとスポーティ靴下の弾ける元気さとかっこよさとか(幽花はるかの脚のオタク)、やよちゃんの上品ヘルシーセクシーさとか(コンパクトな上半身からチラ見えする腹筋とふわっと広がるスカートのバランス!そして腹筋)ねむりさんのプリキュア感とか(セーラー襟をあんなに大人キュートに着こなせる人がほかにいますか)、秋からのメンカラ版も良かったけど夏のカラフル版の方はテキスタイルがとにかくさわやかで布は共通なのにシルエットだけでメンバーの個性が魅力的に表現されてて本当~~~~~~に今でも好きです。最高衣装。今後も曖昧の衣装期待してるよ!!!!余談、完。

うずめさんはるちゃんのラップも良いんだ〜〜本当にここの二人、新境地だなと思うんですよ!ちゃんとかっこよくやるパートにして曲を作ってくれるのも良いしそこをばっちりかっこよくキメてくれる二人にもテンションが上がる。イケイケすぎる。このラップパートが、うず→はるでギュンっとギアを上げた後にはるやよ(ここの二人の歌割りも好き…個人的に曖昧の真剣に見えて危険人間2トップはこの2人だと思っているので…)→ねむなのとパートをつなぎながらだんだん可愛いに着地させていく緩急も良いです。あと実はラップらへんの振りが細かいのにきちっと決まっててすごく好き!と言うのに今頃気付いた2023年。

この曲ってものすごく夏のぶち上げソングの顔をしているけど、歌の主人公はそんなに夏が得意じゃないんじゃないかなと思ったりする。でも、”君”と一緒に過ごせるなら笑って叫んで日焼けしてもいいじゃんって思えるのかなって。個人的には、2022年はアイドルオタク7年目にしてついにTIFへ初参戦した年でもありました。極めてインドア派の人間なので、夏フェスに対するスタンスとして暑そう…疲れそう…怖そう…やめとこ……みたいな人生を送ってきたこれまでだったけど、美味しい曖昧の初出演が決まったTIF。一瞬悩んだけど、TIFのステージでパフォーマンスする美味しい曖昧、絶対見たい。その気持ちが勝った。それでも、大丈夫かなあと思いながら前売りチケットを買って、うまくまわれるか緊張しながら当日を迎えて。気温は高いしスカイステージの階段は息が切れたし、汗でファンデどころか日焼け止めまでずるずるに溶けて、腕時計の跡が残るぐらい日焼けして、でもこれも全部思い出なんだなあって思ったら1ミリも後悔は無くてとにかく楽しかった。今思い返しても、楽しかった!!!!!!以外の言葉が出てこない。美味しい曖昧と一緒だったから見れた新しい景色です。

2023年、声出し効果なのかなんでこんなに楽しいのか分からないぐらい去年を超えて楽しい曲に進化したこの曲と、美味しい曖昧のみんなと一緒に、2回目のTIFで一緒にどんな夏が見れるのか心の底から楽しみです。

 

・幽体whisper

不思議でつかみどころがなくてふわふわしてて少し怖くて、でも気になって頭の片隅にずっと残っている、そんな曲。ダンスがえぐいと思っていて、見るたびに人体そんな動きできるんだ!?みたいな気持ちになります。

「今、忌々しいな 変わりたいな」の歌い出しは凡やよいのためにあるんじゃないかと思う。やよちゃんの声は結構、険が無いと言うか引っ掛かりなくするっと入ってくるなと思うことが多いんですよね。やよちゃんって特典会で話しても人を緊張させずに自然に話させてくれる不思議な包容力があって、それはもうめちゃくちゃ人柄の力だと思っていて、そんな人柄が声にもにじみ出てる時がたくさんある。少しだけ低めで心地良くて優しくも強くも美しさもかっこよさも出せる、何色にも染まれる、それでいて凡やよいの歌声だってわかる。メンバーカラーの白が似合う歌声なのかも(2023年の気付き)。この曲の歌い出しもそんな感じがよく出ていて、気付いたら隣にいるみたい。なのにその感覚で油断していると知らないうちに間合いを詰められてて、変わりたいと言われた時には命を握られてしまってる。

イントロからずっと鳴っているウータタウタタ…タターみたいなとかを弾いてちょろちょろしてるシンセ?キーボード?の音(この表現伝わりますか…)が不思議で妖しい雰囲気を作ってる印象なんだけど、サビではこの音が無くなるから感情が少しストレートに伝わってくる気がする。

「踊って」と「呪って」のところがダンスの好きポイントなんですよね。この二つ、動きの基本形(ステップを踏んで両手を左右対称に上げ下げする)は同じなのにニュアンスの付け方で全然違う印象にしてるのかなと勝手に思ってるけどどうなんだろ。足の動き方と言うか踏む回数が違うっぽいから違うかな。踊るのも呪うのもどちらも同じ自分。なりたい自分の姿があって、強かったり弱かったりして、でも何が”私”かを決めるのは私だから勝手に分かられたくない。そのままで良いわけない。変わりたい。でもどんな私になるか決められるのは許せない。この歌の子は何が本当のことか全然分からせてくれないけど、変わりたいのは本当なんだろうなと思う。

それでも、闇雲にほかの何かになりたいって喚くんじゃなく「あの自分に変わりたい」と言えるところが強くて眩しくて、私はこの子のことをちょっとうらやましいと思ってしまうのでした。

 

特典の美味しいワイワイで「レスを一切しない曲」と言っていたけれど、メンバーの冷たかったり儚かったり、かと思えばとても強い瞳をしていたり、真に迫った表情にゾクゾクする。やよちゃんはこの曲、歌もハマっているけど表現もかなり良いんだ~儚くて夜に溶けてしまいそうな表情を見せてくれるので息を吞んでしまう。ライブハウスの照明が月明かりに見える瞬間がある。そしてこれももう言っている人たくさんいると思うけど、特にねむりさんの表情がすごい。一番最後の「醜いのは絶対にイヤ」*1がねむりさんのパートなのが本当に良い。ねむりさんってお顔からスタイルまですべてが可愛くてダンスも声も華があってまさにあらゆる女子の憧れみたいな女の子なんですけど、持って生まれたものはもちろんあって、でもそれに胡坐をかいていたら絶対にあの姿にはなれないと思う。歌もダンスもビジュアルも、考えて努力して磨いてアイドルとしてとびきりキラキラの姿を見せてくれてるんだろうなと(勝手に)想像していて、そんなねむりさんが歌う「醜いのは絶対にイヤ」は凄みがあって、表情まで含めて心にズシン、とくる。

音楽の魅力と、最初に言った通りダンスもすごくて、表情もめちゃくちゃ見ごたえがある曲なのでライブで見るの相当好きです幽体Whisper。

 

・アマダリガ!!

「誰か助けてピカピカにしてもう一度だけやり直させて」「誰かの声は神様の声だから 誰かに保証された人じゃなきゃ安心できないの」

泣きました。これにつきる。ハイテンション沸き曲の皮をかぶった泣き曲。何を考えたらこんな歌詞にこんな曲つけようって思うんですか???(はちゃめちゃ褒めてます)(もっとやって)

ところでみなさん、ピカピカしたくないですか!?!?!?私はしたいです。だけど2021年中頃あたりからずっと人生が迷子でいる。この曲を初めて聞いた曖昧なワンマン3の頃はそれがかなりピークに近くて、自分の思うかっこいい人になりたい気持ちとでもじゃあどうしたら良いのかわからないって気持ちでぐるぐるぐるぐる悩みながらモチベーションとパフォーマンスの低空飛行を続けていたところにワンマンでこの歌を聞いて、サビがあまりにも刺さって誇張なく泣いた。(その後も悲しいかな迷子状態継続中なんですが、このへんの感情はそのうちちゃんと書きたいなと思っている、自分のために)

はるちゃんの歌声ってどうしてあんなにどんずばストレートで届くんでしょうね。この曲のサビは特に、ステージの上からたくさんの観客の波間を抜けて真っ直ぐに自分宛に投げてもらったみたいに錯覚する。自分が曖昧に出会った頃と比べると本当にはるちゃんは表現の幅が広がったなー!!と思っていて!元々スキルフルで強くかっこいパフォーマンスが印象的だったけど、段々と切なさも色っぽさもそしてとびきりの可愛いも、色んな幽花はるかをステージで見せてくれるようになって。この曲でサビのはるちゃんの歌声は力強いんだけど、ただ強いだけじゃなくてその裏で弱さや悲しさやるせなさが自分にあることを知っているように感じるから、そして最初に書いたみたいにそれをまっすぐ届けてくれるから、いつもちょっと泣きそうになる。

アマダリガのすごいところって歌詞に合わせたらすごく暗い曲にもできそうなのに実際ははちゃめちゃテンアゲミュージックになっているところだと思ってて、でも実際そうじゃないですか?悩んで落ち込んでどうしたら良いかわからなくて何もやりたくなくて、それでも明日も明後日も家から出て人間をやらなきゃいけない。そうしたら辛いですって泣いて悲しい顔を続けるわけにもいかないから、無理矢理にでも明るく振る舞ったりする。あるいは楽しくてはしゃいでても、心の隅っこにどうしようって気持ちがずっとある。そんな時が、絶対にある。

この歌の子は変わりたいのかな、変わりたくないのかな。アマダリガ、I'm a dirty girl。汚ギャルだよ〜とPが言ってたそう(はるちゃん情報)なのだけど、アマダリガって自分で言うときこの子はどんな気持ちなんだろう。分かるわけないんだけど、それでも「このままじゃイヤ」って言葉は、どう変わればいいのか分からないけど変わりたい人の叫びなのかなって思う。わかんないよね。わかんない。わかったらこんな焦燥感感じないもの。

 

一番最初に書いた歌詞のフレーズとか「このどうしようもないとこを好きと言って」とか、とにかく全てが刺さりまくってもっと書きたいことたくさんありすぎるんですがまとまらなくなっちゃうのでこのへんで…

まあそんな事考えなくてもライブで聞けばみんな底抜けに楽しくもなってしまうので!!!美味しい曖昧最高〜!!になってしまうので!!!何も考えずにアマダリガ振りコピ(本当はシャトルランしたい、いつか)してニッコニコになって、そういうちょろい自分も好きでありたいな。

 

・バッドエンドのその先

この曲最近ライブで全然やってなくないですか2023年夏。み、見た~い……やってくれ……

具体的に恋愛に関して歌っている曲って実は初めてだったのでは!(1年経って増えた生意気ねチェリーも結構具体的かも)。とは言っても恋愛の渦中ではなくて思い出で、それが終わった今も悪くないって歌ってるとこが曖昧っぽくて良いな~と思います。

途中でおしゃれな曲調になってメンバーの半分語りみたいな歌い方で繋いでいくところが好きなんだけど、そこでのねむりさんの「まぁ、今はいいかな」が最高。ねむりさんの声は強さと弱さと可愛さとかっこよさと優しさと怒りと甘さとドライさを全部ぎゅっとリボンで束ねた「女の子」って感じがしてすごく説得力があるなと感じることが多いのだけど(ユーグレナの「いいよ」とかもそう)、この曲でもハマっててたまらなく良い。

そしてこの曲はうずめさんの落ちサビが本っ当に!良い!うずめさんって表現の引き出しがすごく多いと思っていて、フロアのテンションを上げてくれる煽りだったりくるくる変わる表情だったり、飄々とでっかい愛でぐるんと周りを巻き込んで違う世界に連れてってくれる頼もしさみたいな魅力があるかと思えば、だれもいない世界で一人きり立っているような儚さと背中合わせの強さを見せてくれる時(サプリメの落ちサビとか幽体の「別に弱くないけど?」のパートとかもそうだと思っている)もあって、この曲の落ちサビは後者なんですけどたまらなく目が離せなくなる。そんな緊張感から始まって、最後の「ちょっと笑える」でほんのり空気を緩めてくれるから、またうずめさんを好きになっちゃう感じ、ある。

ライブと音源でほんのちょっとだけ印象が変わった曲でもあります。音源のほうが切なさが強い。どんなに大切に思っていたものでも、時間が経つにつれて忘れてしまうこと。忘れたことすら記憶のどこかに消えてしまっていたこと。でも不意に思い出す瞬間があること。そうやって行ったり来たりしながら、知らない間に違う自分になっていて。感じ方は変わってもその時の愛は本物だったよって。ライブでは過去のことも今の自分もべつにいんじゃないって言ってくれるようなさらりとした温度感が心地いいなと思っていたけど、音源だともう少しだけ過去のこと名残惜しんでいるように感じて、でもどっちも好きです。思い出すときによってきっと自分の感じ方も変わるから。音源とライブどっちも良いから、ライブでやってください……お願い…秋まで待てない……

 

 

シングルの感想と言いつつダンスとかライブの感想とかの話が滅茶苦茶多くなっちゃった、なぜなら音源も1000%良いですが美味しい曖昧はライブで見た方が2000000倍良いからです。見てくれ人類。

バッドエンドのその先みたいに気が付いたら変化していたり、さまさまみたいに誰かと一緒だから変わっていったり、幽体whisperやアマダリガみたいに変わりたいと藻掻いたり。変わることにもいろいろな種類がある。でも生きてる限り同じままではいられないから。

どうか踏み出した先に素敵がありますようにと信じて、今年も来年も聞いていきたいと思います。曖昧なシングル3がこれからもたくさんの人に届けばいいな~!

 

*1:「絶対にイヤ」は歌詞カードの記載のみで歌ってはいないのですが